モバイルカジノ

モバイルカジノをリードするのは誰か?

モバイルカジノをリードするのは誰か?

モバイルギャンブルについての記事を紹介することは極めて難しくなってる。次世代のプラットフォームと見なす人もいればもう既に普及していると考える人もいるだろう。モバイルビジネスの重要性は数ある成長統計などを参照すれば明らかにはなるが、このようなことは既に何度も行われているというのが問題である。

結論としてモバイル端末はオンラインギャンブル界において大きな部分を占めており既にiゲーミングの部門として取り上げるのは少々時代遅れと言えるだろう。

現在モバイルは主要なメーカーが扱うオンラインギャンブルのシステムにおいて切っても切り離せない存在となっている為、どのようなデバイスを使っているかという論点はますます重要さを失っている。

以上のことからモバイルという用語は今でも話題になることがあるが、その端末自体が注目されるということはこれから減少する傾向にあると思わる。Global Betting & Gaming Consultants社のCEOであるWarwick Bartlett氏は今年(2014年)の始めに今夏に開催されるFIFA World Cupにおいて史上初めてモバイルベッティングが通常のオンラインのものを越えるだろうと予測している。

H2 Gambling Capitalはモバイル2018年までに全てのインターアクティブギャンブリングの44%のシェアを占めるだろうと慎重な予測をしているが、ここではカギとなるテーマが垣間見られる。モバイルが近い将来主要なデバイスになるということである。

ここ数年モバイルユーザーの占める総収益の割合がどの程度なのかが話題となってきたが、この傾向が続くとなるとパソコンユーザーからの利益がマイナーなものとなっていくというのは想像にかたくない。

モバイルにおいて現在どの会社がリードしているかを把握することは数年後この分野でトップに立つものの早期指標となると言える。モバイル産業の発達と共に成長する会社が増えてくる一方、オンラインカジノにおいてどのプロバイダーがこの分野に注目をしているのだろう?

マイクロゲーミング(Microgaming)

オンラインカジノは複数のプロバイダーがソフトを供給する傾向にあり、一つの会社が全てのソフトのプログラミングを担うというケースは減少している。しかしこれはまだ定着したものではなく、どのプロバイダーを使ってモバイル商品を提供するのかというのは大きなポイントとなる。

マイクロゲーミング社の場合民間企業という形態のためライバル会社のように会社の全貌が明らかになることはなかった。だから彼らのモバイルの分野における収益は提供先のオンラインカジノなどを調べる必要があるが、提供先の会社も公共のものではないため全ての情報を公開しているわけではないのが現状だ。

幸い32Red社と近日中にプレイテック提供となるLadbrokes社の報告の中にマイクロゲーミングに関する情報が掲載されている。Ladbrokes社はプレイテック社とのパートナーシップからくる将来への期待に重点を置いているためモバイルの利用度に関する言及はそれほど多くないが、「モバイルの分野での成長の大部分はスポーツベッティングによるものである。」とマイクロゲーミングのモバイルカジノ商品は期待を下回る結果であったと報告している。

しかしマイクロゲーミングと共にオンラインカジノ界で大きな成功を収めた32Red社は前者よりもかなり良い数値を報告している。2013年におけるモバイルカジノの収益は前年と比べ136%上昇し、全収益の21%(2012は10%)を占め、モバイルやタブレット端末の成長はこれからも期待できるというものであった。

プレイテック(Playtech)

Teddy Sagi氏の1億ドルとも言われる株売却によるシェアの減少にも関わらずプレイテック社はこのところ好調さを保っている。2013年におけるモバイルの分野における収益は前年を3倍上回るものとなりこれからも大きな期待が持てることを示した。

2013年の報告によるとモバイルカジノは全てのカジノにおける25%の収益増の5分の1を占めており、32Red社のモバイルシェア(32Red社のものは成長率と言うより全ての収益のシェアであるが)と同等のものとなっている。

もう少し一般的にいうとプレイテックのモバイル部門(スポーツベッティング、カジノ、ビンゴ、ポーカーを含める)は115%の増収となり数字で表すと2940万ユーロとなった。オンラインカジノに焦点を絞ると2013年はプレイテックのモバイル商品にとって躍進の年となった。モバイルカジノの収益は212%も増え、1270 ユーロとなったのである(2012年は401万ユーロ)。

プレイテックに一番関連性の高いオンラインギャンブルサイトWilliam Hillのモバイルゲーミングにおける純収益はプレイテックほど伸びず166%増となったが、2013年12月において全てのゲーム収益の4分の1となり、2014年の中期決済において40%に到達するだろうとみている。

ネットエンターテインメント(Net Entertainment)

マイクロゲーミング社とプレイテック社によって独占されるモバイルカジノ界に最近参入したのがネットエンターテインメント社である。彼らは小さく質の劣るスクリーンが特徴であるモバイルという分野において良い商品を作ろうと多くの労力を費やし、Touchシリーズの特にスロットゲームで著しい成長を見せたのである。

前述の2社と比べオンラインゲーム界全体の9%という遥かにシェアの少ないこのモバイルゲーミングだが、2013年第四四半期だけでも彼らの提供するモバイルプラットフォームが13のオンラインカジノ社に採用されたことを見るとその努力が報われたと言ってもよい。

Betssonは長年ネットエンターテインメントの最大のオペレーターであるが、モバイルの収益を前四半期に比べ16%増やし2014年第4四半期に8090万クローナ(スウェーデン)となった。Betsson.comブランドのモバイル部門収益も第三四半期と比べ第四四半期は38%増加したが、最も注目に値するのは2012年の第四四半期と比べ733%という信じがたい成長を見せたことだ。

ネットエンターテインメントの自社ゲームを他のプロバイダーのゲームと共に独占商品として提供する戦略がデスクトップ商品における成功とたくさんのオンラインカジノでの定着のカギとなったのである。残念ながらこれらのオンラインカジノはモバイル商品をまだ十分に提供できていなく、このためネットエンターテインメントのモバイル部門の収益が未だにふさわしくない原因となっている。

一人天下

オンラインギャンブル産業の新来者としての私の印象はかつてアメリカにおいて不法に経営していたオペレーターが衰えた後マイクロゲーミングが市場を牛耳っていたというものだ。ここ数年ではプレイテックが台頭し、二社の違いというものは殆ど見当たらない。

この均衡は両者の想定上のシェアに確実に反映されているが、二社におけるモバイル部門の収益が20%ほどであるという事実を考慮するとまだまだ時間がかかるというのは明らかに思われる。この二社のキャンペーンを比較するとプレイテックの方が現時点で優勢であるように見られる。

しかしマイクロゲーミングはQuickfireというカードをまだ持っている。彼らがリリースするHTML5用のゲームはモバイル界にとって大きな意味を持っていると言える。プレイテックのマーケティングの巧妙さがなければマイクロゲーミングを避けることは間違いであると見るものもいたであろう。このようなことを考慮したうえでマイクロゲーミングがいつ斬新なプランを発表するかが注目される。